私のキヤノンでの実質安全

2016年9月11日　

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1981年、カメラから事務機への経営の多角化が進み、製品安全課が設置され安全規格の取得を積極的に進めてきた。これから、私のコツコツやってきた仕事を述べたい。

1980年代は、複写機部門と私が所属する本社品質部門が共同で進める組織形態であった。実態は複写機部門が中心になって進めていた。課題は、両部門の折り合いがうまくゆかないことと、安全規格だけで十分という部門の方が大勢いたことである。

1990年3月に品質本部主体の複写機実質安全支援チーム（約20名）が発足した。目的は、イタリア、韓国等で生産した海外生産品のトラブル解決のため、海外現地生産工場を支援することにある。映像事務機火災安全性技術基準をベースに新たな基準を作成することになった。

2年間かけて、全ての事務機部門（複写機、ドットプリンタ、ワープロ、マイクロ、タイプライタ、計算機）の統一基準を作成し、1992年10月「事務機製品安全技術基準」を発行した。全ての事業部、国内外の各工場、関係会社に事務機製品安全技術基準を守る大切さを説明した。

1993年、実質安全の活動を意欲的に継続する目的に、製品安全部（私）が働きかけて事務機部門の約40名で委員会を発足させた。その後、カメラや半導体機器部門も参加した。出席率が80％と極めて高くキヤノン内で有名な委員会となった。

1995年ごろには、やっと活動が根付いてきた。コスト、プラスチックの環境問題との調整、新しい技術等困難な課題にもめげずコツコツと進めた。光学機器部門（半導体製造装置部門、医療器、放送機器）、カメラ部門との整合もとった。名称も製品安全技術基準とし、キヤノングループ全体の基準に格上げされた。

その後、製品安全部の安全認証グループは事業部への異動、安全規格調査部門は別の部に異動する等の組織変更があった。2007年9月製品安全技術開発部は解散し、品質本部の一つの課として存続することが決まり新たな出発をした。実質安全のポリシーはぶれることなく、その後も営々と継続している。

私は、2007年8月に58歳でキヤノンを辞し、すでに9年を経過して10年目である。その間、いろいろな場面でキヤノンに勤務していたことの恩恵を何度も感じた。ほんとうにありがたく思う。キヤノンという会社に深く感謝しています。

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